ブランド牛・和牛・国産牛【牛肉なび】

牛種の詳細

和牛

牛肉
日本全国の、ご当地牛と言われる牛種です。生産地では独自の厳しい品質基準を定め、日々肉質の向上を追求しています。

 

黒毛和種

黒毛和種は、日本の「和牛」の約90%もの割合を占める品種です。非常に優れた肉質を持つのが特徴です。皆さんご存じの「黒毛和牛」は正式名を黒毛和種牛と言い、この黒毛和種のことを指します。黒毛和牛は国産牛の40%弱で、食用牛肉全体では15%前後程度のシェアを持っています。和牛としての割合が多いことは、「松坂牛」「神戸牛」「近江牛」など有名ブランド牛が、全て黒毛和牛であることからも分かります。

 

褐毛和種

褐毛和種は体躯が大きく、黒毛和種に近い肉質を持っています。
明治時代以降、高知県や熊本県で飼育されていた朝鮮牛を基にする赤牛と、シンメンタール種や朝鮮牛を交配し、改良を進めて来た品種です。

 

日本短角和種

日本短角和種は主に東北地方で飼育される日本固有の肉専用品種で、手間がかからず成長が早いのが特徴です。旧南部藩で運搬業務に就労していた使役牛である「南部牛」と、明治以降に輸入されたショートホーン種を交配させ、品質向上を重ねながら現在にいたります。昭和32年(1957年)には、「日本短角種」として認定を受けました。

 

無角和種

無角和種は成長が早く、牛の個体差による品質のばらつきが少ないのが特徴です。
山口県阿武郡(あぶぐん)の在来牛を、アバーデン・アンガス種を使った改良により誕生しました。
毛色は黒い単色で、蹄や鼻鏡まで真っ黒です。その名の通り角がありません。
1日の増体量約1Kg前後、枝肉歩留も62%と、高い産肉能力を誇ります。
また皮下脂肪が比較的厚いのに対し、ロース新面積は小さい性質も持ちます。

 

乳牛

乳牛は、日本国内ではホルスタイン種が、代表的な牛種として知られています。
家畜として品種改良された牛の中で、特に乳の出が多くなるように改良された牛種です。
乳牛にはオス牛も存在しますが、当然ながら乳は出ません。種牛として適さないオス牛や、高齢で乳の出が悪くなったメス牛は、食用牛肉の対象となります。市場で「仔牛肉」として流通している牛肉は、乳牛種のオス仔牛の肉が大半です。

 

ホルスタイン種

ホルスタイン種は、元来オランダが原産。国産牛のホルスタイン種は乳牛の代表品種ですが、オス牛も去勢処置された後、肉牛として飼育されます。その割合は、国産牛の約70%。
このようにメス牛だけでなくオス牛も、日本国内で非常に多く流通しています。
ホルスタイン種の肉質は、味が淡白でやや柔らかく赤身が多いのが特徴です。

 

ジャージー種

ジャージー種はイギリス原産の乳・肉両有の牛種です。英国領のジャージー島原産の牛で、フランスのブルトン種・トルマン種を基礎に改良を受けて誕生しました。中でも、ブルトン種の影響を色濃く受けています。
ジャージー種は、ホルスタイン種に比べ乳の量産出量が少ないのですが、乳成分のうち乳脂肪率が非常に高いのが特徴です。体躯が小さく、年間4,000Kg程度と乳量はさほど多くはないのですが、乳の脂肪球が大きく脂肪率が約5%もあるため、クリームが分離しやすい特性を持ちます。またカロチン含有量も高く、色合いも美しい黄色を発色するため、バターの原材料として最適です。

 

交雑種(F1)

さまざまな交配種
明治期も後半である明治33年、種牛改良調査会による答申によって外交種を含むさまざまな種を用いた、交配による和牛改良の方針が決まりました。その後、シンメンタール種・ショートホーン種・ブラウンスイス種といった外国種が輸入されるようになり、国営の種牧場を中心に雑種生産が始まることになります。しかし外国種との交配による雑種生産は、体格が大きくなり搾乳量が増えた個体が出る反面、動作が鈍重で肢蹄の弱小な個体も生み出すことになります。また同時に飼料の消費も多くなり、農家が求める農耕牛に適合しない一面も持ち合わせていました。
その後昭和期に入り戦後を迎え、人口増加・高度成長に伴う食生活の変化を受けて、低コストで和牛に味が近い品種の改良が進めてこられた経緯があります。

 

交雑種(F1=一代交雑種)は、他で紹介した「黒毛和牛」のような牛の品種名ではありません。交雑による、生産コストや肉質に重点を置いた牛の総称です。
日本の交雑種は主に、黒毛和牛のオスとホルスタインのメスの間に生まれた牛のことを指します。この牛の毛色は一般的に黒色ですが、体に母牛の特徴でもある白斑が出ることが多いのが特徴です。雑種特有の「雑種強勢」(雑種第一代が二親よりも、身体の大きさ・病気・環境に対して抵抗性が高く優勢で、生産力などの点ですぐれる現象)により優れた点を持つことが知られています。交雑種は純粋種に比べ成長も早いことから、飼料費の面からも優れた牛であるとも言えます。
この他にも、肉専用種の純粋種間による交配での和牛間交雑種や肉専用種とホルスタイン以外(ジャージー種など)の乳牛間による交雑種も存在します。
飼育牛としての一番の特徴は、育てやすいこと。生まれた子牛はホルスタインよりも小柄で、黒毛和牛に良く似ています。肉質も和牛に似ていますが、サシが入りにくいため淡白で、安い価格で流通しています。
以前は交雑種を「国産和牛」と称して流通させる業者もいて、問題になりました。現在は、個体識別が制度かされたことにより、牛の偽装が出来なくなっています。

 

輸入牛・外国種

代表的な外国種
ブリティッシュ・ブリード・ヘレフォード種・ショートホーン種・アンガス種・
マリーグレー種・シャロレー種など…
日本国内で食用として輸入されている海外肉用種は、上記のような品種をアメリカやオーストラリアと言った国で改良を受けたものが大半です。

 

元来が肉食の文化を持ち、需要も非常に多い欧米は数多くの優良肉牛品種を産出してきました。今現在、世界的に美味しい牛として飼育されているのは、イギリス系のブリティッシュ・ブリードと呼ばれる肉専用種のほかに、フランス系の肉専用種も代表的な品種として有名です。

 

3代ブリティッシュ・ブリード

ヘレフォード種(ブリティッシュ・ブリード)
イギリス原産で、無角・褐毛で顔の部分だけが白いと言う外見上の特徴を持ちます。肉質は粗くサシが少なく赤身が多いのが特徴で、乾燥や寒暖と言った環境にも強く頑健な体を持ち育てやすいため、広く飼育されています。

 

アバディーンアンガス種(ブリティッシュ・ブリード)

スコットランド原産で、アメリカの肉用牛の約40%はこの牛です。
共に肉質に優れているアバディーン種・アンガス種を交配して作られました。
外見上の特徴は、小柄な体躯と無角・黒毛。肉質はサシが入りやすく柔らかで、非常に美味しいとされています。ただし、皮下脂肪が厚い欠点も持ち合わせます。
それまで「煮込み」が主流だった牛肉の調理法は、この牛の出現によってステーキのような「焼き」調理も一気に広がったとされています。

 

ショートホーン種(ブリティッシュ・ブリード)

イギリス原産で、名前の通り角が短く赤単色や白単色の個体も存在します。比較的小柄な体躯を持ち肉付きがよく、典型的な肉牛として知られています。
親牛の優良特徴がよく遺伝すると言う美点はあるものの、体がやや弱く、デリケートな管理と良質な粗飼料が必要と言う飼育条件が必要です。

 

シャロレー種

フランス原産の肉専用種、有角・体毛はクリーム色で額に縮れ毛があり体躯は大型、環境適応力も高い品種です。イギリス、アメリカ、オーストラリアなどで重用され、発育が良く赤肉量が多いのが特徴です。
シャロレー種は純粋種として飼育されるだけでなく、一代交雑種であるF1の作出にも多く使われます。美食の国フランスが原産国として自慢するだけに、非常に美味しい牛として世界的に有名です。
肉質は、脂肪が少なく赤肉生産用とされ、特にその肉汁は良質のコンソメスープのようだと評されます。通常、脂肪が少ない牛肉は固いとされていますが、シャロレー種はその通例に反し、赤身も非常に軟らくジューシーです。
残念ながら、日本にはほとんど輸入されていません。

 

マリーグレー種

オーストラリア東南部、マレー地方が原産の牛。
無角で灰褐色の被毛を持ち、体下線や鼻鏡は黒色で大きな体躯を持っています。
性質は大人しく従順で、粗飼料利用性が高く、成長も速いのが特徴です。
ショートホーン種とアバディーンアンガス種を、交配させることで誕生しました。
日本へは昭和40年ごろに輸入・繁殖され、肥育素牛が誕生しています。また無税子牛として輸入されていたこともありました。

 

ブラーマン種

アジア原産の牛で、日光の光線を反射するために体毛が短くなっています。
頸(クビ)よりも上と臀部(お尻)側が黒く、逆に胴体の大部分は白い配色になっています。また体温調整のための汗腺も多く、気候的に暑く湿度が高い所でも良く育ちます。
この牛は、病気に非常に強いことでも有名で、オーストラリア北部の熱帯地域で大規模飼育がなされています。

 

 

オージービーフについて

オーストラリアで生まれた牛や、同国で加工された牛肉の総称を「オージービーフ」と言います。
今や世間で一般的になりつつある、「オージービーフ」ですが、実はオーストラリアには元々、「牛」はいなかったって知っていました?
では一体オーストラリアでは、いつごろから牛肉の生産がはじまったのでしょうか?
オーストラリアでの牛の牧畜は1788年1月、シドニー港に南アフリカで買い付けた2頭のオス牛と6頭のメス牛が到着したのが始まりとされています。その後年月を掛けて数を増やし、オーストラリアの気候に合うように改良を受けながら、現在では約3,000万頭とも言われる牛が飼育されるようになりました。
アメリカ産の牛肉と並んで大規模農法で効率的に生産し、比較的安い価格で流通する「オージービーフ」は、一般家庭の必需品になってきています。
国内のハンバーガーチェーンの大半は、「パティ」と呼ばれるハンバーグの原材料をオーストラリアに頼っています。
オーストラリアの牛の飼育方法として「グラスフェッド」と呼ばれる牧草飼育が有名です。これは同国の豊かな自然と、それによる栄養豊富で良質な牧草の存在に起因した飼育法です。そのため、かつての「オージービーフ」は、赤身が多く少し歯ごたえがあり「焼肉」「しゃぶしゃぶ」にするよりも、「ミンチ」などのひき肉、「カレー」「シチュー」煮込み用に適していると言われてきました。
しかし近年の、世界的な日本食ブームの到来による「霜降り」供給の要望に応えるため、「グレインフェッド」と呼ばれる穀物飼育にも力を入れるようになってきています。
このため最近では「オージービーフの霜降り」なんて言うのも、珍しくなくなってきました。

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