飛騨牛(岐阜県)ブランド牛の紹介
飛騨牛は、銘牛として知られる安福号を始祖とした岐阜県のブランド牛です。岐阜県内で14カ月以上肥育された黒毛和牛であり、肉質が柔らかく、豊かな霜降りと鮮やかな桃色による見栄えの良さも特徴の1つとなっています。
飛騨牛のルーツは、飛騨地域で飼育され続けていた農耕用の牛に発します。肉牛としての歴史は、農業が機械化するに伴い、地域で飼育されていた牛の活用を模索した時に始まりました。これ以後、飛騨牛はより優れた肉質と、より大きな体格とを目指した改良が続けられていきます。昭和56年には岐阜県が競り落とした銘牛、安福号を種雄牛とする優秀な子牛が続々と誕生。安福号の産子はいずれも優れた牛として評価され、現在世に知られるブランド牛としての実力と名声とが確立されていきました。
和牛のオリンピックと言われる全国和牛能力共進会では安福号の産子が優秀な成績を収め、飛騨牛がブランド牛として評価される礎石となっていきました。第5回と第6回では優秀賞を、そして第8回では日本一の栄冠を獲得。第9回は内閣総理大臣賞最優秀枝肉賞を第8回に続いて受賞。5年に1度、日本全国の優秀な和牛が集まり改良の成果を競う中で、種牛と肉牛との優秀さが高く評価されていきました。
飛騨牛の柔らかい肉質の秘密は、筋肉繊維の細さにあります。口に入れると柔らかくとろけるような食感であり、濃厚な甘味が楽しめます。また、くどさを感じさせない適度な油乗りですから、子供からお年寄りまでどなたでも安心して口にしやすいお肉です。ステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きに使うことで良さが引き立ちます。
親しみやすい料理としてシチューやカレー、ハンバーグやコロッケ、そばやうどんといった庶民的な料理にもよく合います。飛騨地域ならではの飛騨牛を利用した郷土料理もあり、ブランド牛としての美味しさを楽しむ方法はバラエティに富んだものです。