熊野牛（和歌山県）ブランド牛の紹介
人気が高い熊野牛は、和歌山県内で生産、肥育されている黒毛和種のブランド牛ですが、この熊野牛の定義として、和歌山県内に在住の肉牛生産者によって、14ヶ月以上肥育されていること、出荷までの月例が26ヶ月であること、雄牛、もしくは、出産を経験していない雌牛であること、さらに、その枝肉の格付けがA3ランク以上若しくは、B3ランク以上であるものとされ、100%植物性の飼料を与えられたものとされています。
そして、枝肉の格付けが行なわれていない場合であっても、熊野牛認定委員会が委嘱する調査委員2名により、相当の肉質であることが認定された場合には、熊野のブランド牛としての名前を使用できることとされています。
また、熊野牛は、松坂牛、米沢牛などの日本三大ブランド和牛と肩を並べるほど肉質が高品質なことで知られており、さらに、霜降りが充分であることに加えて、肉の線維そのものが細いことから、食感が柔らかく、肉自体が持つ風味もよいとの高評価を受けていますが、このブランド牛は、肉質が良い代わりに、出荷数がそれほど多くなく、年間の出荷数は、200頭以下であることから、稀少なブランド牛ともいわれています。
このような熊野牛の歴史は、平安時代に遡り、当時、熊野三山という和歌山の三つの神社へのお参りが盛んで、都から和歌山へ荷物を載せる牛として連れてこられたのが、熊野牛の歴史の始まりで、その後、荷牛として連れてこられた牛は、農作のための役牛として使用された後、肥育され、食用となりましたが、この時代の牛は、肉質が悪かったことから、品質改良のため、兵庫から但馬牛を入荷して交配させ、品種改良を行なっていきました。
その後、選び抜かれた血統を取り入れた品種改良により、高級ブランドとなりましたが、平成16年より、熊野牛の名称は、牛のブランド名ではなく、肉のブランド名となっていますが、このブランド牛の肉質は、キメ細やかで柔らかく、味と香りに優れ、肉の風味が素晴らしく、焼いた時の香ばしい香りの良さも大きな魅力となっています。
